ブルーシティに行ってきた:その2

ジャスワント・タダをあとにし私たちが向かったのはジョードプルのアイコンともいえるメヘランガール城塞。

比較的フラットなラクダ色の丘陵にぽこんと頭を出したように高まった丘があり、その上一体に豪壮な城塞が伸びています。
wikipedia より転載 
1438年にヒンドゥー王朝であるマールワール王国の王位を継承したジョーダーが、当時の首都マンドールでは敵襲に立ち向かえないとして 1459年に首都をジョードプルに移動。
すぐに城塞の建築が計画され、1460年にこの城塞が建てられました。

その後徐々に増築され、現在の城塞までに整えられたは、1638年に8歳でマールワール王国の君主となり40年間国を治めたジャスワント・シング時代とのこと。

実は、このジャスワント・シングとムガル帝国との関係はかなり深く、ちょっとご紹介します。代表的な登場人物はこの方々:

ジャスワント・シング
wikipedia より転載
アウラングゼーブ
wikipedia より転載

ダーラー・シコー
wikipedia より転載

1657年、ムガル帝国の皇帝シャー・ジャハーンが重病にかかり、4人の息子の間で皇位継承を巡るあさましい闘いが繰り広げられ始めたのでした。

当時20歳前後のジャスワント・シングは、シャー・ジャハーンの長男でイスラム教とヒンドゥー教との融和路線を支持するダーラー・シコーの味方につきます。

一方、イスラム教の熱狂的な信者でシャー・ジャハーンの三男であるアウラングゼーブはありとあらゆる手を使い、まずは実父をアーグラ城に幽閉! 😱

そして自分を「世界を奪った者」との称号で王座につき、その後次々に自分の兄弟たちを殺害していきます...

実父が溺愛し、ジャスワント・シングの助けを受ける兄ダーラー・シコーにいたっては、背教者になったと処刑をし、その生首を実父に送り付けるまでの仕打ち 😱 😱

こうしてジャスワント・シングもアウラングゼーブに帰順する羽目となったわけですが、アウラングゼーブはジャスワント・シングの領土を狙い続けていました。

後継者をなくすため、ジャスワント・シングの息子に毒を盛り込んだ衣装を贈って殺害  😱 😱 
精神的に打ちのめされたジャスワント・シングが死亡すると後継者がいないことを理由にマールワール王国の帝国直轄地化を宣言。城塞メヘランガールもアウラングゼーブの手に堕ちたのでした。

アウラングゼーブ、かなりの曲者。

その当時、ジャスワント・シングの王妃の一人が妊娠中で、後に息子アジート・シングを出産。そしてすったもんだのあげく、アウラングゼーブの死後にこのアジート・シングがメヘランガール城を取り戻す、というわけでした (が、このアジート王、これまた息子たちに殺害されてしまいます  😱、、、親子の関係に疑問符...)。

その後この城塞はウメイド・バワン宮殿が建築される1943年まで王家の住まいとなります。メンテが素晴らしいのもその理由かもしれません。

さてさて、、、


こちらが城塞から見下ろした景色。


あら、変なおじさんが何か吸ってる。

実はこれアヘンなのでした。
って、このおじさんは本物を吸っているわけではないです(笑)。
こういうフカとかマリワナボングのようなものでアヘンを吸う習慣がこの地域にはあるのだそうです。

アヘンはインドでは違法ですが、今でもビシュノアという村の人たちは吸っているとか。数百年前からアヘンはビシュノアの人たちにとって生活の一部だったようです。お客さんをもてなすのもアヘンだったとか。

城塞の中にはいくつかの宮殿があります。
中でも美しかったのはフール・マハル (花の宮殿)。
きらびやか~~✨



ちょっとボケていてすみません。
これが鏡の宮殿。
鏡が天井と壁一面に施された不思議空間。



そして、こちらがタハット・マハル。
マハラジャが本妻たちや内妻たちと遊んだといわれるお部屋。
ボードゲームがあり、これに勝った女性がマハラジャの時間を独占できたとのことでした。

出口となっていたゲートの天井にはこんなにたくさんのツバメの巣が!

この城塞を建てる前、この丘は「鳥たちの山」と呼ばれていたらしいのです。
多くの住人たちと、鳥たちの主 Cheeria Nathji を追い出すために、力ある聖人を呼び寄せ退いてもらったのでした。ただ、その際に Cheeria Nathji は、この地が水不足に襲われるよう呪いをかけて山を下りた、と言われています。

その呪いを払い落し、城塞が無事に完成されることを願い、城塞の基礎作りの際に自らの命を捧げ生き埋めとなった男性がいます。
その方の名はラジャラム・メガワル (またの名をラジャ・バンビ)。
これと引き換えに、彼の家族はマハラジャから永遠の加護を悪則され、子孫はいまだに敷地内に住んでいます。

この地域にはさまざまなローカルアートが息づいています。
ひとつはミニチュアペインティング。
小さくて肉眼ではわからなかったけれど、カメラで撮って拡大したら花の色が黄色だったり。驚きました。

最後に、城塞内ですばらしい音を奏でていたアーティストの映像の一部をどうぞ。
弾いているものは、竹の筒とココナッツでできた手作りの共鳴胴の弓奏楽器で、ラヴァンハッターというそうです。マイクもないのに音量たっぷり。おまけに声もすばらしい。




その3はバザールと夜のジョードプルです。


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